先日、キャスト全員で本読みを行いました。
初演を経験している私は、
無意識のうちに前回と同じ感覚で物語に入っていたのだと思います。
けれど、読み進めていくうちに、
どうにも拭えない違和感を覚えました。
——何かが合わない。
——これは、違う。
演出家としての勘が、はっきりとそう告げていました。
今回の「宮古島旅情~君の声が聞きたくて」は、
新曲が7曲増え、
それに伴って台詞や場面も大きく広がっています。
さらに、キャストは全員が新たな顔ぶれ。
作品そのものが、
初演とはまったく別の姿に育っている——
そう感じました。
その中で、
初演を知っている私だけが
「前と同じ役作り」をしてしまったら、
物語は成立しない。
稽古後、じっくり考え、
キャラクター設定を一から練り直しました。
現キャストとのバランスを考え、
脚本も所々手を入れ、
そして何より——
母親役である私自身のキャラクターを、大きく変える決断をしました。
前回は、
明るく、太陽のように家族を導く女性。
今回は、
少し自信がなく、
思ったことをはっきり言うよりも、
人の言葉を受け止めてしまい、悩むタイプの女性。
設定を変え、一人稽古に臨んだとき、
ふと気づいたのです。
——私、こういう女性を演じるの、ほぼ初めてかもしれない。
これまで演じてきた役柄を振り返ってみると、
どちらかというと
前向きで、芯が強く、
自分の思いをはっきり持った女性が多かったように思います。

果たして、
この年齢になって
内向的な女性を、
私はちゃんと生きることができるのだろうか?(笑)
不安もあります。
でも同時に、
役と向き合う面白さを、改めて感じています。
一度お渡しした台本を変更することになり、
出演者の皆さんには申し訳ない気持ちもありました。
それでも、
「より良い作品をつくりたい」という思いを共有し、
受け止めてくれたことに、心から感謝しています。
新たな挑戦。
そして、新しい「宮古島旅情」。
どんな母親が、
舞台の上で生き始めるのか——
私自身も、今からとても楽しみです。


🌺朗読ミュージカル「宮古島旅情~君の声が聞きたくて」
美しい宮古島を舞台に、家族の絆・夫婦愛・命の尊さを描いた感動の朗読ミュージカル。
心に響く物語と音楽を、天王洲KIWAの温かな空間でお届けします。
📅 公演日: 2026年1月11日(日)
①15:00開演(14:30開場)/②18:30開演(18:00開場)
📍 会場: 天王洲KIWA(東京都品川区東品川2-1-3)
🎫 料金: 前売7,700円/当日8,200円(税込・別途1ドリンク)

