宮古島旅情への道⑧~父がくれた“最後の贈り物”

宮古ブルー

ずっと父から嫌われていると思い込んでいた私でしたが、
父親の立場から脚本を書いているうちに、
「不器用でも、口下手でも、やっぱり娘を愛していたのでは?」
と、少しずつ考えが変わっていきました。

昭和一桁生まれの男性たちは、
感情を言葉で表すのが苦手な人が多かったのかもしれません。


そういえば──。
私が離婚騒ぎでゴタゴタしていた苦しい時期、
父は口ではほとんど何も言いませんでしたが、
引っ越しの際には、北海道まで手伝いに来てくれました。

すべての手続きが終わったあと、
心配と迷惑をかけてしまったお詫び、
そして感謝の気持ちを込めて、
私は両親に三人での旅行をプレゼントしました。


それが──実は那覇と宮古島への旅。
両親にとっては沖縄自体が初めてでしたが、
実は私自身にとってもその2008年の両親との旅が
宮古島との初めての出会いだったのです。

美しい景色を見ても父は割合寡黙でしたが、
きっと言葉にならない感動を覚えていたのだと思います。


父が亡くなった約4年前のこと、
私はちょうどコロナに罹ってしまい、
家族の中でただ一人、父の死に目にも会えず、
葬儀にも参列できませんでした。

不思議なことに、
父が苦しんでいた三日間と、
私が高熱で苦しんでいた三日間がぴったり重なっていたのです。

そして、父が亡くなったと知らされた日から、
私の症状は徐々に回復していきました。

──もしかしたら父が、私の苦しみを持っていってくれたのかもしれません。

言葉や態度で愛情を示してくれることはほとんどなかったけれど、
やはり私を生み、育ててくれた父は、
心の奥でずっと私を大切に思い、愛してくれていたのだと、
今になってようやく気づきました。

父と娘って、本当に難しいですね。
そんな不器用な父と娘の姿をこの作品に書き込みました。

── この旅は、まだ続きます。
次回『宮古島旅情への道⑨』へ🌈

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