ずっと父から嫌われていると思い込んでいた私でしたが、
父親の立場から脚本を書いているうちに、
「不器用でも、口下手でも、やっぱり娘を愛していたのでは?」
と、少しずつ考えが変わっていきました。
昭和一桁生まれの男性たちは、
感情を言葉で表すのが苦手な人が多かったのかもしれません。
そういえば──。
私が離婚騒ぎでゴタゴタしていた苦しい時期、
父は口ではほとんど何も言いませんでしたが、
引っ越しの際には、北海道まで手伝いに来てくれました。
すべての手続きが終わったあと、
心配と迷惑をかけてしまったお詫び、
そして感謝の気持ちを込めて、
私は両親に三人での旅行をプレゼントしました。
それが──実は那覇と宮古島への旅。
両親にとっては沖縄自体が初めてでしたが、
実は私自身にとってもその2008年の両親との旅が
宮古島との初めての出会いだったのです。

美しい景色を見ても父は割合寡黙でしたが、
きっと言葉にならない感動を覚えていたのだと思います。
父が亡くなった約4年前のこと、
私はちょうどコロナに罹ってしまい、
家族の中でただ一人、父の死に目にも会えず、
葬儀にも参列できませんでした。
不思議なことに、
父が苦しんでいた三日間と、
私が高熱で苦しんでいた三日間がぴったり重なっていたのです。

そして、父が亡くなったと知らされた日から、
私の症状は徐々に回復していきました。
──もしかしたら父が、私の苦しみを持っていってくれたのかもしれません。
言葉や態度で愛情を示してくれることはほとんどなかったけれど、
やはり私を生み、育ててくれた父は、
心の奥でずっと私を大切に思い、愛してくれていたのだと、
今になってようやく気づきました。
父と娘って、本当に難しいですね。
そんな不器用な父と娘の姿をこの作品に書き込みました。
── この旅は、まだ続きます。
次回『宮古島旅情への道⑨』へ🌈  


🌴朗読ミュージカル「宮古島旅情~君の声が聞きたくて」🌴
    美しい宮古島を舞台に、夫婦愛・親子の絆・人間の成長を描いた感動の物語。
    荒川久美江オリジナル脚本・演出・主演でお届けします。
  
    🗓️2026年1月11日(日)
    ①15:00開演 ②18:30開演
    会場:天王洲アイルKIWA
  
    物語の誕生秘話や制作の裏側はシリーズ
    『宮古島旅情への道』で連載中。
  
✨舞台で培った“声と表現の力”を、日常にも。
    荒川久美江のオリジナルメソッド
    「ハッピースマイルブレスメソッドⓇ」を通して、
    声・姿勢・表現力・コミュニケーションを磨く
    各種レッスンや企業研修も行っています。
  
    そして──
    夫婦カウンセラーとして運営する
    
      💗結婚相談所シェ・ラムール💗
    
    では、“ご縁”を大切に、心からのサポートをしています。
  
    声・舞台・人生──すべてはつながっている。
    あなたの“物語”が動き出すきっかけになりますように。
  

