先日、ある媒体の方から取材を受けました。
作品が生まれた背景や、家族のこと、
そして今、私が舞台に込めている想いについて。
気がつけば、2時間近く話していました。
そのインタビューの中で、
こんな質問を投げかけられました。
「ミュージカルの魅力って、何だと思いますか?」
あまりにも大きな問いで、
一瞬、言葉に詰まりました。
でも、しばらく考えて、私はこう答えました。
「人生そのものだと思います」
そして、逆に質問をしました。
「もしこの世の中から、
音楽や芝居の文化がすべて消えてしまったら、
世界はどうなると思いますか?」
古より、芝居や音楽は
あらゆる時代、階層、民族の中で育まれ、
人を癒し、導き、
時代や社会の流れの中で
人の心を支え続けてきました。
人間にとって、
なくてはならないものだったからこそ、
音楽は生き残り、
人は音楽に救われてきたのだと思います。
もし、それらが完全に消えた世界があるとしたら。
そこに残るのは、
きっと「無」だけなのではないでしょうか。

ミュージカルは、
音楽と芝居が融合した総合芸術です。
観る人は、登場人物の人生と
自分自身の人生を重ね合わせながら、
勇気や知恵、愛情、
そして「生きる力」を受け取ります。
いま私が向き合っている朗読ミュージカル
「宮古島旅情~君の声が聞きたくて」 を通して、
その問いに改めて向き合う時間になりました。
人生には、
喜びも、葛藤も、別れもあります。
それでも人は、
泣いて、笑って、また前へ進んでいく。
ミュージカルは、
そんな人生の営みそのものを、
音楽と物語でそっとすくい上げてくれる存在なのだと、
改めて感じた取材の時間でした。

