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声を失った夏⑮ 〜恩師の教えを胸に〜
ST(言語聴覚士)の指導を受け、普通の会話をすることはすぐに実践できました。しかし私の場合、回復させなければならないのは「歌声」。呼吸法の大切さは改めて思い出させてもらいましたが、歌うための発声やポジション指導までは望むことができません。 ... -
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声を失った夏⑭―声の出し始め「起声」について―
今日は「起声(きせい)」について少し詳しくお話しします。 声は呼気が声門を通過し、声帯が振動することで生まれます。その際、声帯がどのようなタイミング・状態で閉じるかによって、声の音質や音色、さらには音程までもが変化していきます。 ◆ 軟起声... -
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声を失った夏⑬~一歩ずつ積み重ねる、新生へのプロローグ
夏風邪から声帯まで痛めてしまったこの夏、私が日々取り組んでいるリハビリはとてもシンプルです。呼吸法から始まり、軽い開口訓練、発声練習。そして必ず「コールユーブンゲン」の教則本に取り組んでいます。 いきなり歌を歌うと声が引っかかってしまうこ... -
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声を失った夏⑫―STからの学びを活かす、声と命のトレーニング
昨日のブログで初めて登場した「言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist = ST)」という職業について、「それはどんなお仕事ですか?」とご質問をいただきました。 言語聴覚士とは? 人は日々「言葉」でコミュニケーションを取っていますが、病気... -
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声を失った夏⑪ー私を変えた言語聴覚士との出会い
大学病院で「声帯ポリープ」と「声帯結節」の両方があると診断された私は、医師から「声を出しながら治していきましょう」と言われました。しかし当時の私は怖さが勝ち、しばらく声を出さない生活を送ることにしました。 歌はもちろん、会話も囁くような声... -
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声を失った夏⑩― ついに声帯結節とポリープ、二重苦の告知 ―
2017年9月上旬、また声帯が悪化してしまいました。飲みたくない抗生物質をたんまり飲まなければならなくなり、それまでの先生に対して少し不信感が芽生え始めていた頃のことです。 医師への不信感 「医師の絶対的自信ってどこから来るのかな?」勉強? 知... -
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声を失った夏⑨― 声が戻り始めた喜びと、再び訪れた絶望 ―
医師にも勧められ、いよいよ声を出し始めました。一日はゆっくり呼吸法を、二日目からは恐る恐る声を出してみたのです。 一旦、全く出なくなってしまった頭声(ソプラノボイス)が、少しだけ戻ってきていました。 「あっ、大丈夫かも!」 そんな手ごたえに... -
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声を失った夏⑧ ~舞台人の宿敵・乾燥と冷えとの闘い~
今年はまだしばらく残暑が続きそうですが、秋も深まってくると、いよいよ乾燥の季節となります。 冷えや乾燥は人体に良い影響をほとんど与えませんが、俳優やシンガーにとっては風邪をひきやすくなるだけでなく、声帯に直接影響を与えてしまうので、本当に... -
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声を失った夏③― 音声専門外来での衝撃 ―
声帯はスポーツ選手の筋肉と同じ 一度おかしくした声帯は、筋肉も粘膜も思うようには動いてくれません。怪我をしたスポーツ選手が、治ったからといってすぐに試合に出られないのと同じ。 少しずつ動かし、筋肉や関節を修復し、負荷を調整しながら感覚を取... -
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声を失った夏② ― 音声障害からの再生記録~声が一切出ない恐怖
シリーズ② 医師とのやり取り編 エアコンが引き金に 私はエアコンが苦手です。「冷え」と「乾燥」は、声にとって最大の敵だからです。 しかしその年の夏、連日の熱帯夜に耐えきれず、一晩だけ冷房をつけっぱなしで眠ってしまいました。その2日後、喉に違和...
