ST(言語聴覚士)の指導を受け、普通の会話をすることはすぐに実践できました。
しかし私の場合、回復させなければならないのは「歌声」。
呼吸法の大切さは改めて思い出させてもらいましたが、歌うための発声やポジション指導までは望むことができません。
けれども――私にはもう先生がいません。
思い出したのは、高校2年から大学入学まで師事した戸田敏子先生の存在でした。
当時の私は悪い発声が原因で「音声障害一歩手前」とまで言われましたが、戸田先生の厳しくも温かいご指導で、東京芸大への現役合格へと導いていただいたのです。
(詳しくは8月14日の「お盆に恩師を想う」をご覧ください)

先生は凛として気高く、とても厳しい方。
レッスンに伺うときは背筋が自然と伸び、玄関のチャイムを押すときでさえ何度も深呼吸をしたほど緊張しました。
それでも一旦レッスンが始まると、先生は大きな身振り手振りを交え、例え話を巧みに使いながら生徒の想像力を引き出し、身体の奥で起きている声の変化を敏感に感じさせてくださいました。
「ああ、戸田先生に会いたい。もう一度レッスンを受けたい!」
そう切望しましたが、先生は2015年にすでに他界されていました。
多くのアーティストに慕われた、本当に素晴らしい先生でした。
私は高校時代の先生の教えを頼りに、日々のトレーニングを繰り返しました。
全く出なくなっていた頭声が、少しずつ戻ってきたのはしばらく時間が経ってからのことでした。
――きっとまた歌える。
――絶対に取り戻す。
そう信じて、毎日コツコツと積み重ねました。
けれども心の中には、常にひとつの引っかかりがありました。
「結節とポリープがあるのに、本当に歌っていいの?」
声帯疾患の二大巨頭があるにもかかわらず、「毎日歌ってください」と言われる不思議。
病院での所見は、確かに「ここが結節、ここがポリープ」と示されましたが、実際は小さなものでした。
周辺には痰が絡んでおり、それに対しても飲み薬はなく、「薬で治る状態ではない」とだけ。処方されたのはネブライザー用の吸入液だけでした。
――全てを信じるしかない。
そう思いながらも、納得できない自分がそこにいたのです。
声は単なる音ではなく、私たちの心と体のすべてを映し出すものです。
そして声を育む過程で出会う葛藤や不安も、人生そのものを深く映しています。
この経験を通して私は、声の大切さを伝えること、そして「声をどう守り、どう生かすか」を学ぶ場をつくることが必要だと実感しました。
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夫婦でサポートする安心婚活「結婚相談所シェ・ラムール」代表
荒川久美江
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