今日は「起声(きせい)」について少し詳しくお話しします。
声は呼気が声門を通過し、声帯が振動することで生まれます。
その際、声帯がどのようなタイミング・状態で閉じるかによって、声の音質や音色、さらには音程までもが変化していきます。

◆ 軟起声(なんきせい)
柔らかい息を通しながら声を出す方法で、声帯の振動面積が小さく、粘膜への負担が少ないため「声の衛生上、望ましい起声」とされています。
イメージとしては「あくびをしたときのように喉を広げ、息を吐く感覚」。
ただし軟起声だけでは正確な音程や長いフレージングを支えることはできません。
腹式呼吸や横隔膜、骨盤底筋などによる「支え」との連動が欠かせないのです。
◆ 硬起声(こうきせい)
一般的には「喉詰め発声」と呼ばれ、強い呼気で声門を強く閉じて出す発声です。
声帯への負担が大きいため、日常的な発声法としては好ましくありません。
しかし歌唱表現においては、この技術が効果的に働く場面があります。
特に女声の中~高音域で「ア」母音から始まる歌では、硬起声を意図的に使うことで言葉がはっきり立ち上がり、歌い始めから声が的確に響くのです。
◆ ニューヨークでの学び
私は、ハリウッド女優であり名吹き替え歌手でもあった Marni Nixon(マーニ・ニクソン)先生 から、この硬起声の効果的な使い方を学びました。

彼女は映画『ウエストサイド物語』(ナタリー・ウッド)、『王様と私』(デボラ・カー)、『マイ・フェア・レディ』(オードリー・ヘップバーン)の歌声をすべて吹き替え、さらに『サウンド・オブ・ミュージック』ではシスター・ソフィア役を演じられた方です。

2005年、ニューヨークの彼女の自宅で直接レッスンを受けられたことは、今でも大切な宝物です。温かくて大らかで、とても魅力的な女性でした。


◆ 起声の選び方と声のケア
硬起声は歌唱技術として有効ですが、多用すると声帯に負担がかかります。
一方で、喉のトラブルからの回復期には「軟起声」を使った練習が、声帯に優しくリハビリ効果をもたらします。
声の出し始め方ひとつで、声の健康や表現の幅は大きく変わるのです。
この経験を通じて学んだことを、声に悩みを抱える方や発声で困っている方に少しでもお伝えできれば幸いです。
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