沢木座第三回公演を観劇しました

劇団四季先輩の沢木順さんが主催する「沢木座」第三回公演を観ました。
第一部は光枝明彦さんのソロミュージカル「写楽は北斎」
深川江戸資料館内の小劇場とピッタリの内容で大変感動しました。

光枝明彦さん・・・「CATS」や「夢から醒めた夢」や「オンディーヌ」など様々な作品で共演させていただきました。始めて光枝さんのガス=グロールタイガー役を観た時に、「なんて声の良い俳優さんなんだろう?!」と感動し、グリドルボーン役デビューの時は、憧れの方と相手役で共演出来てとっても嬉しかったのを今でも覚えています。

光枝さんのガスと私のジェリーロラム

光枝さんのグロールタイガーと私のグリドルボーン


現在88歳の光枝さん、若い少年の時には若々しく弾む声を、中年に差し掛かった時の苦悩、老齢に至ってもまだ芸に拘る様々な声や表情を拝見し、何度も胸にグッと迫りくるものがありました。
米寿になって尚、芝居をやり続けられる喜びはひとしおだと思います。

役者は死ぬまで役者なんですよね。

多種多様なリズムの音楽は、光枝さんの演技力と歌唱力の素晴らしさもあって、歌っていることを忘れさせるほどに芝居と溶け合って実に見事で、聴きごたえがありました。
全て沢木さんの作詞作曲と言うことで、改めてその才能に感動です。お父様が日本歌曲の著名な作曲家さんですから、これこそ「血筋」なんだろうな~と思いました。私、弟子入りしたいです!!

沢木さんも80歳ということでしたが、いやはやこんな80歳が他にいるだろうか?(^^;)
声に全くの衰えは感じられず、姿勢もスタイルも当時のまま。一瞬にしてお客様を沢木ワールドへ連れて行ってしまう様は圧巻でした。
本当にこんな凄い方々と共演出来て、俳優として育ててもらったことは有難い経験だったな~と改めて思います。

沢木さんガスと私のジェリーロラム


エレクトーンの長谷川幹人さん・・・作品の意図をしっかり把握され、作品の中で共に生きておられました。常に光枝さんの呼吸に合わせ、時に熱く、時に静かに寄り添う様が本当に素晴らしかったです。
作品が生きるも死ぬも伴奏者の力量にかかっているところは大きいです。信頼関係が出来上がっていると俳優は芝居にしっかり集中できるので作品が生き生きとお客様の耳に届きます。
エレクトーンはまるでオーケストラのような音が出るので、いつか是非私のオリジナル作品の伴奏をお願いしたいです。

井料瑠美さん・・・ソロミュージカル「松井須磨子」からのソロ曲に痺れました。美しい声で愛する人を失った悲しみを歌うナンバーに胸が痛くなるようでした。声の緩急が素晴らしく、しっとりとした「大人の女性の歌」でした。

会場に来ていた元劇団四季の仲間たち。
20代、30代を共にして、ひたすら舞台を愛し、人生のすべてをかけてあの場に立ち続けた日々は、何年会っていなくても一瞬でわかり合えるものがあります。

「観る天国、演る地獄」

な~んてよく言ったものですが、劇団を離れてそれぞれが一人になったら「創る地獄」も味わいます。
演るだけならまだしも、創る側は「生みの苦しみ」に加え「お金の苦しみ」「集客の苦しみ」等々も請け負わなければなりません。
舞台ってどんだけお金かかるね~ん💦💦
舞台制作ってどんだけやること多いね~~ん💦💦💦
集客めっちゃ大変やね~~~ん💦💦💦💦

「やったもん勝ち」ならぬ「やったもん負け」です、本当にもう!!!(笑)
本当は主催・演出・主演なんてやりたくないんですよ~、本当はね(~_~;)
毎回そんなことを思いながらも、気づいたらまた始めているんだから、性懲りもないです。
劇団時代は厳しかったとはいえ、俳優だけに専念出来ていたのだから、やはり守られていたのでしょうね。

そんな中、沢木さんがオリジナル作品を作り続け、俳優仲間に一人一作品を残してあげたいというそんな気持ちに深く感銘を受けました。
私も、自分がもっと年をとったら、自分が出来なくなったら、若い女優さんに私が作った作品を演じてほしいという思いがあります。
だから作品を作り続けようと、どんなにしんどくてもこれが好きだからやっていきたいとやっぱり思ってしまうんですね。

「宮古島旅情~君の声が聞きたくて」は必ずまた近いうちにどこかでやります。
でもその前に、女性二人の物語を書いてみようかな?って今は考えています。
やっぱりまだ私も、もう少し、俳優であり続けたいです。

昨日の沢木座公演を観て、凄く刺激をいただきました。
先輩方、仲間たち、後輩たち、本当にありがとう。

~友達はいいもんだ 目と目でものが言えるんだ~


~みんなは一人のために 一人はみんなのために~



久美江



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