声を失った夏⑪ー私を変えた言語聴覚士との出会い

大学病院で「声帯ポリープ」と「声帯結節」の両方があると診断された私は、医師から「声を出しながら治していきましょう」と言われました。
しかし当時の私は怖さが勝ち、しばらく声を出さない生活を送ることにしました。

歌はもちろん、会話も囁くような声だけ。
けれど、それが喉にとって逆効果だったことを後に知ることになります。


声を生む仕組みと呼吸の役割

声は、肺からの呼気が気管を通り、声帯が振動することで生まれます。
この「声帯振動」を生じさせるには、まず息を吐くことが前提です。

呼吸が不十分なまま発声すると、声帯を無理に閉じて摩擦を与えてしまい、ポリープや結節の悪化につながる可能性があります。
特に「囁き声」や「小声」「力んだ声」は喉に大きな負担を与えるので要注意です。


起声の種類

声の出始め(起声)には大きく二種類あります。

  • 硬起声:息を止めて声帯を強く閉じてから発声 → 喉に負担大
  • 軟起声:呼気を先に流し、その流れの中で声帯を自然に振動させる → 喉に優しい

健康的な発声を続けるためには、この「軟起声」が欠かせません。
歌唱・演技・スピーチなど、どの場面においても息を先に流すことが、声を守る第一歩となります。


言語聴覚士のひと言

初めてST(言語聴覚士)の先生による検査を受けたときのこと。
紙製の筒を口にくわえて発声する訓練をする中で、先生がこう言いました。

その瞬間、ハッとしました。
私は声を失う恐怖から心も体も固まり、息を吐かずに声を出そうとしていたのです。

さらに先生はこう続けました。

この言葉で大きな肩の荷が下り、声と向き合う心構えが変わりました。


声と心を解放する「呼吸」

声のトラブルは心理的な要因で悪化することも多く、逆に声の不調が心まで縛ってしまうこともあります。
だからこそ「呼吸を整える」ことは、声のリハビリであると同時に心のリハビリでもあるのです。

STとの出会いは、声を取り戻す道における大きな転機となりました。
声の衛生を守り、正しい呼吸と発声を積み重ねていくこと。
それこそが私の声を支える基盤となっていくのです。


俳優や歌手にとっては、本来こうした経験は無いに越したことはありません。
ですが、現役俳優でありボイストレーナーの私がこの試練を乗り越えられたことは、大きな財産であり使命だと感じています。
だからこそ、今後は声に悩める個人はもちろん、企業研修やセミナーを通じて「声・呼吸・表現」をテーマに伝え、多くの人に役立てていきたいと考えています。

クミエ・アラカワミュージカルClass主宰
夫婦でサポートする安心婚活「結婚相談所シェ・ラムール」代表
荒川久美江

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