舞台を目指す人だけでなく、セミナーに参加したり、人と対話をする中で、
ボイトレの必要性、重要性を強く感じることがあります。
「声」は決して永遠ではないのです!
声帯は筋肉と粘膜の二層構造でできていますが、きちんと動かしていないと衰えが早くなります。
声が声帯筋の柔軟な動きによって出ているということを知らない方がまずもってとても多いですね。
使っていないと筋肉は間違いなく衰え固くなります。

声門が綺麗に閉じて発声できたとしても、その響き(共鳴)をつかさどっているのは、喉頭腔、咽頭腔、口腔、鼻腔といった空間の存在なので、それも動かしていないとどんどん重く狭く固くなっていきます。
パソコンやスマホに長い間向き合った後に、急に声を出すとかすれ声だったり、声が出にくかったりした経験はありませんか?
声を出すための筋肉が固くなったり、共鳴する空間が狭くなってしまっているためそれは起こります。


声を酷使したことで音声障害になった2017年の夏、
私は最終的に東海大学病院の耳鼻咽喉科へ通い、言語聴覚士さんの指導を仰ぎました。
そこに来ていたのはほとんどが定年退職した男性たちの姿でしたが、
みんな一様に猫背で首が前に出ていて、覇気が感じられなかったのがとても印象的でした。
呼吸時に舌と喉頭蓋は連動しているのですが、筋肉である舌も動かしていないと
喉頭蓋の開きが衰えて呼吸が浅くなり、体内に取り込める酸素の量が減ってきます。
また喉頭蓋は「嚥下」とも深く関わっているので、気管に食べ物が入りやすくなってむせたり、咳込んだりすることが多くなってきます。喉頭蓋の動きが鈍くなるためです。
それを放置しておくと、いつか「誤嚥」を引き起こして呼吸困難に陥る可能性もあります。

なので筋トレ、ストレッチは体幹や脚部だけでなく、首内部、頭部も必要なのです。
声帯は本来、成長が遅く老化も遅いです。
正しい発声法で歌を歌っている人や役者たちは年齢を経てもいつまでも若々しくて溌溂としています。
でも使い方を間違えるとトラブルも起きやすいのが現状なのです。
そういう意味でボイトレは歌手や俳優を目指す若い人たちはもちろんですが、50代、60代のシニア世代こそ本当は必要なのです。
日本はボイトレ後進国なので、その必要性をあまりわかっていない人が多すぎます。
今後、このブログでもそれを訴えて行き、私のオリジナルである「ハッピースマイルブレスメソッドⓇ」や演劇の手法を通じて、生き生きとしたシニアライフや円滑なコミュニケーション役立てていただきたいと願っております。
また、会社の健康経営にも必ず役立つと信じています。

寿命がどんどん長くなっている現代、いつまでも若々しく健康でありたいと願うのは自然なことですね。
久美江