えっ? 声って“前”じゃなくて、“後ろ”に出すの?

――声は押し出すものではなく、引いてから放つものです。

「もっと声を前へ!」「遠くまで飛ばして!」
声を出す現場でそう言われてきた方、多いのではないでしょうか。
でも実は、声は前に押し出そうとするほど、響かなくなるのです。

本当に響く声というのは、**まず後ろへ引く動き(=テイクバック)**から生まれます。
野球のスイングも、ゴルフのショットも、剣道の一太刀も──

年齢を重ねると、筋力や呼吸のコントロールが弱くなり、
「前へ出そう」とするあまり、首や喉に力が入りがちです。
ところが首や喉に力を入れれば入れるだけ逆効果で声は出なくなるばかりか、喉も傷めかねません。


でも、ほんの少し意識を変えるだけで、
声はもう一度、深みとしなやかさを取り戻します。


🎵 “後ろ”を感じるボイスワークのすすめ

息を吸うとき、胸ではなく、
腰まわり――背中の下のほうや、骨盤のあたりがふくらむように意識してみてください。

息が腰のうしろへ「下がっていく」ように感じられたら成功です。
その息が背骨を通して上昇し、頭を超えて前に抜けていく。
これが、声の“正しい流れ”です。

つまり、声は前に押し出すものではなく、後ろに引いてから頭を超えて前に出るもの
これが発声の「テイクバック」です。

声を「出す」よりも、「流す」。
力で押すよりも、「通す」。
そうすることで、驚くほど楽に声が響くようになります。


🌿 シニア世代や講話者こそ、いま“声の再教育”を

年齢を重ねると、「昔のように声が出ない」「話すとすぐ疲れる」と感じる方が増えます。
でも、それは“衰え”ではなく“使い方”の問題です。

人生の厚みを伝える声。
人に希望を届ける声。
そして、自分自身を励ます声。

それらを再び取り戻すには、若いころの発声法ではなく、
いまの身体に寄り添った新しい声の使い方が必要です。


「発声のテイクバック」を覚えると、
声は驚くほど楽に、のびやかに、そして美しく響きます。
それは、体と心をつなぐ“第二の呼吸”のようなもの。

歌う人も、話す人も、
人生を重ねたからこそ出せる声の輝きを――
もう一度、自分の中から取り戻してみませんか。

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声・言葉・表現力を磨くことは、人材の育成だけでなく、組織の活力や繁栄に大変効果的です。
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クミエ・アラカワミュージカルClass主宰
夫婦でサポートする安心婚活「結婚相談所シェ・ラムール」代表
荒川久美江

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