最近、ブログやSNSでよく目にする言葉があります。
「一緒に旅行に行ったり、桜を見たり、美味しいものを食べたり、楽しいことを一緒にできる人がいたら、別に結婚なんてしなくてもいいかな。」
そんな風に書かれているのを見ると、「うんうん、わかるなぁ」と共感される方も多いようです。
実は私も長年、そう思っていました。
でも、今は違います。
もちろん、“一緒に楽しめる人”がいることは素敵なことですし、心を満たしてくれる関係だと思います。
でも、50代後半になってから結婚相談所で再婚し、現在、婚活カウンセラーもしている私の立場から見ると、それってちょっと「自分にとって都合のいい人」を求めているようにも思えるんですね。
だって、人生って「楽しいこと」ばかりじゃないですよね。
仕事で行き詰まったとき、自分や身近な人の病気、親の介護、思うようにいかないことが続くとき…
そんな“しんどい時期”にこそ、自分のそばにいてくれる人。黙って寄り添ってくれる人。
何かをしてくれるわけじゃなくても、「大丈夫だよ」っていてくれるだけで、心強い。
本当に「いい人」って、そういうときにこそわかるんじゃないでしょうか。
そしてもう一つ大切なのは、「自分も、相手にとってそういう存在になれるかどうか」です。
一緒に笑って、一緒に泣いて、支え合いながら歩いていける関係。
それが結婚だと、私は思います。
「結婚」って、ただの制度じゃなくて、「安心できる居場所をつくること」です。
もちろん最初からそんな関係を築けるわけではありません。
でも、そういう未来を目指したい、そう思える相手を見つけていくのが、婚活なんです。

今、誰かと楽しい時間を過ごしたいなと思っているなら、それはきっと、心が“誰かと支え合いたい”と感じ始めている証かもしれません。

結婚相談所シェ・ラムール代表
荒川久美江